セルフ・アウェアネス (ハーバード・ビジネス・レビュー [EIシリーズ])
研究が示すところによれば、自分について明確に認識している人は、より自信があり、より創造的である。より適切な判断を下し、より強い人間関係を築き、コミュニケーション能力も高い。嘘をついたり、だましたり、盗んだりする可能性が低い。仕事のパフォーマンスが優れ、昇進しやすい。そして、より有能なリーダーであり、その部下の満足度は高く、会社の収益向上にも貢献している。
自己認識には二種類ある。 「内面的自己認識」(internal self-awareness) これは、自分の価値観、情熱、願望、環境への適合、反応(思考、感情、態度、強み、弱みなど)、他者への影響加について、自身がいかに明確にとらえているかを表す。 「外面的自己認識」(external selF-awareness) 先に挙げた諸要素について、他者が自分をどのように見ているかに関する理解である。
フィードバックがうまくいかない三つの理由 「真実のトリガー」 評価や助言が的外れである、役に立たない、あるいは単に事実と異なっている場合には、腹が立ち、不当な扱いを受けたと感じ、いらいらする。 「関係性のトリガー」 話し合いはしばしば、提供者についてあなたが思っていること(たとえば、「この問題について彼は何もわかっていない」)や、それまでの交流に基づく感情(たとえば、「あれだけよくしてあげたのに、お返しがこの批判か」)に影響される。したがって、他の誰かが言ったなら価値あるものと受け入れたコーチングを、はねつけてしまうこともあるかもしれない。 「自己同一性のトリガー」 フィードバックが正しいか誤っているか、あるいは示唆に富むか考慮に値しないかにかかわらず、それを受け入れれば自分らしさが失われると感じるならば、気落ちしてしまうだろう。
よい受け手になるための六つのステップ ①自分の持つ傾向を知る
フィードバックへの反応(反撃、伝え方に異議を唱えるなど)や、時間軸にパターンが出来上がっている
②「内容」と「提供者」を切り離して考える
フィードバックが示唆に富むものであれば、誰によるものは関係ない
③コーチングとして受け止める
評価というより学習と改善のものとして捉える
④内容を分析してみる
すぐに判断せず、内省してみる
⑤尋ねるのは一つだけ